絵子の縁側便り 6月号

2023年5月
玉井 公子

 急に暑くなったり、寒くなったり。気温の変化が急すぎるこの頃ですが、お変わりありませんでしょうか? 体調管理には十分気を付けてお過ごしください。

 体調管理といえば、食事・睡眠・運動・規則正しい生活。あ~、できてない。もう20年以上も患者会でボランティアをしているというのに、偉そうなことは全く言えない仕事中毒の私です。

 ですが、ちょっと食事の大切さについて書かせていただきたいと思います。きっかけは、子どもの歯並びは矯正しなくても治せるという歯医者さんのお話を、仕事がらみで聞いたことです。歯並びが悪くなるのは、よく噛まないので顎の発達が悪く、全ての永久歯が収まるスペースが確保できないからなのだとか。狭いところに無理やり並べれば、はみ出すのは当然ですよね。よく噛んで食べることを永久歯が生えそろう前に始めれば、矯正は不要だということです。これはお子さんにとって朗報ですよね。

 では、大人になってからのよく噛むことのメリットは? というと、たくさんありました。

  1. よく噛むと満腹感が得られるので、ダイエット効果がある
  2. 代謝が上がるので、瘦せやすい体になる
  3. 口の周りの筋肉が使うことで引き締まり、小顔効果がある
  4. 唾液を多く分泌するので、虫歯予防になる
  5. 胃腸の負担が減るので、その分体力が向上する
  6. 脳への血流が増加し、ボケ防止にもつながる
  7. セロトニンが分泌されるので、リラックス効果がある
  8. 薄味でもうまみが感じられるので、減塩できる
  9. 時間をかけて食べることで、血糖値の急上昇を押えられる

 どうでしょう? いいことづくめではありませんか? テレビや週刊誌で人気の効果がこんなにたくさん、よく噛むだけで得られるなんて。

 もう一つ、驚きの効果が有りました。なんと、がん予防です。

 唾液の中に含まれる「ペルオキシダーゼ」という酵素が、活性酸素を分解し、がんや老化、動脈硬化を押えるというのです。

 また、パロチンというホルモンは、老化防止効果が有ることが確認されているそうです。複数の歯科

 思い返せば、私の父はとてもよく噛んで食べる人でした。2時間も3時間も食事をしているので「ウシみたいに反芻してるんとちゃうか?」と言うと「俺は午やから、反芻はしてへん」ですって。もう少し早く食べてくれたらと思っていましたが、よく噛んでいたおかげで、大きな病気もせず、ボケもせず、92歳まで長生きできたのかもしれません。

 よく噛むためには、まずしっかりと食事の時間を確保することですね。急いでご飯をかきこむのではなく、ゆったりした気分で食事をしたいものです。まず隗(かい)より始めよ。でも、言うは易く行うは難し。取りあえずは噛む回数を数えることから始めてみましょうか。

 雨の季節が近づいて来ています。今年は災害につながることが有りませんようにと願いつつ、雨に映える草木にも目を向けて梅雨を楽しみたいと思います。

写真:副理事長玉井公子父 ・玉井 八平 都立水元公園にて