イベント詳細


 

日時 2023年 8月10日(木) 13:00~16:00
会場 まちねっとカフェ「よろず相談室」
立川市羽衣町2-39-11 (看板在り)
西友近く・パリー舎クリーニング店近く
参加費 無料
内容 お仲間を偲び、語り合う日
お茶会(お菓子の用意あり)
飲み物は各自持参で
問い合わせ ※会場がわからない場合は内田まで 090-6495-5856

今から25年前の1998年1月、仲間たち25人と立川リーセントパークホテルで「内田絵子と女性の医療を考える会」が誕生しました。

患者会の宿命で「今日生きて会い・明日死をもって別れる」を繰り返した25年でもあり、仲間たち一人ひとりの「いのち」の重さを感じた25年でもありました。哲学とは死の意味を考えること以外のなにものでないと言いますが多くの仲間たちの死が私のささやかな死生観を創ってくれ、人として成長させてくれました。そして何よりブーゲンビリアを創っているように感じています。

亡きディーケン先生の人間学の「旅する人間」というコンセプトのひとつに「人間はそれぞれの人生の旅を歩みながらより人間としての完成に近づいていくわけです。人間とは、いつも進歩し続ける存在で、永遠という大きなゴールに向かう巡礼者であるといってもよいでしょう。人間が、旅の途中で、ほかの旅人に出会うことは重要な体験です。」との言葉は、会の大きな支えとなっています。ブーゲンビリアでは、また患者会にとって「死」はタブーと言われた時代から「生きること・死ぬこと」について学び続け答えは見つかりませんが20年以上考え・学び続けていることが亡き仲間への供養の一つといえるかもしれません。「よく死ぬことは よく生きること」のタイトルでの学びは、多くの講師の先生方にご指導いただきながら継続して13年が経ちました。

仲間たちは病を通して、死を通して、私たちに大切なことを教えてくれました。人間にとって何より大切なことは、この与えられた人生を過酷な病と向き合い、どんな苦しみや悲しみに出会っても、愛する人との別れに向き合いながらも、人としての誇りを失わず最後の最期まで、生き抜くという生命の絶対的な肯定論者なることを身もって示されました。仲間たちは、今、大きな自然の輪廻の中で、空間や時間を超えた深遠なる魂は、我が家という宇宙の御霊にかえって永遠の休息と安らぎを得ていることと思います。仲間たちの死をとおして、いのちは、常に無限に生成発展しつつあるものだと私は確信しています。

人間は時間的・空間的にも単独で存在するものではなく、無数の命の繋がりの中にあることを再確認しながら「人は、支えあい、助け合い、繋がり合うことができる」ことを信じて、一足先に旅立った仲間たちの願いや思いを叶うべく、少しでも未来の医療をより良くしていくために微力ですが力を尽くしていきたいと思います。

あなたにあえてよかった。 また会いましょうね、それまでさようなら。

合掌

ブーゲンビリアの「偲ぶ会」の大切さ
 ~人薬・時薬~

2020年10月発行 会報19号
津根 静香

例年だと「偲ぶ会」が8月のお盆にありましたが、今年はコロナ禍で中止。今更ながら、その集まりの大切さを感じています。乳がんに罹患し、出逢い、知り合った方々とのおしゃべり会で、語り合い、たくさんの共感を体験しました。関わった人数が多いほど、関わった歳月が長いほど、別れはその分、深い悲しみになると思うのです。

コロナ禍でおしゃべり会も開かれずにいますが、それでも今の時代にあった心の交流があります。メールを交換した相手とは、家族にも言えない言葉、見せない姿が、そこにはあるのではないかと思います。

最後の最後まで医療を追求し治療し強がっていた彼女からの「見捨てないで…」とのメール。

3人の子どもを育てるお母さんだった彼女は、最後の最後まで私の息子の病気をも心配してくれ、「いつでも話を聞くからね」とのメールをもらいました。

精神科の分野に「人薬」「時薬」という言葉があります。ひとりでは抱えきれない悲しみを人と話すことで救われる、分かち合える。悲しい気持ちも時間が過ぎることで癒やされるというものです。一年に一回、その方々について、話ができる「偲ぶ会」。それは「人薬」と「時薬」を兼ね備える集まりだったと思います。

Facebookを利用すれば、世界中の人々とメールのやり取りができる時代です。できることならば、一年に一回でもあの世とこの世のメールのやり取りができるといいのになぁと思います。今はまだ、彼女達からの最後のメールを消すことはできません。もうしばらく、取っておこうと思います。