絵子の縁側便り 11月号

2023年11月
玉井 公子

今年の夏は特別暑かったですね。ですから秋の訪れを喜んでいる方も多いのではないでしょうか? でも、日が短くなって気温が下がってくると、なんとな~く気分が沈んでしまって…という方もいらっしゃるかと思います。

メンタルの強さには自信のあった私なのですが、昨年は父や猫たちとのお別れが重なり、11月にプチうつ状態を経験しました。お彼岸を過ぎれば日が短くなるのは、頭ではわかってますよ。気温が下がるのも秋なのだから当たり前。それでも夜中にお仕事していて、午前中は寝ていたりするので、起きてすぐに夕方になってしまうと、なんだかとっても寂しい気持ちになってしまっていたんです。

日照時間が短くなると、脳内のセロトニンの分泌が少なくなって、季節性のうつ状態=冬季うつが出やすくなるそうです。緯度の高い国や、冬場に晴れの少ない地域、夜勤などでお昼くらいまで寝ている人は、要注意だそうです。それ以外にもストレスを抱えていたり、体調が悪かったりすれば気持ちが沈みやすくなりますよね。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれていて、日光を浴びると体内で合成されます。日照時間の長い夏には多く分泌され、秋には減少し、冬場が一番少なくなります。ですから、積極的に日光を浴びることによって軽度な季節性のうつは解消することができるそうです。特に朝日に当たることが有効で、朝のウオーキングは有酸素運動とも相まって、5分でも効果が有るそうです。朝なんて起きられない、無理と思う方でも、せめて日の有るうちに外に出て、歩いてみましょう。お買い物でもお散歩でも、秋の優しい日差しは気持ちの良いものです。他にも、たんぱく質の多いバランスの取れた食事や、規則正しい生活など、当たり前とも思われますが、やっぱり大切で、効果が有るのです。

ここで一つチェックポイント。季節性のうつと一般的なうつ病とにはちょっと違いがあるのです。

共通点

気分の落ち込み やる気が出ない 何をやっても楽しくない
イライラする 体がだるくて、倦怠感がある  

相違点は 

一般的なうつ 季節性のうつ
・食欲低下 ・食欲向上
・睡眠不足  ・過眠
・体重減少 ・体重増加

どうでしょう? 朝日に当たっても改善しない。食欲もない…という方は、ためらわずにクリニックを受診してくださいね。うつは心の風邪とも言いますが、風邪は万病の元です。早く治すに越したことは有りません。

気持ちが沈みがちな方も、そうでない方も、気分を上げ、集中力を高め、不安を減らす効果のあるセロトニンを積極的に分泌させて、実りの秋、錦秋の美を存分に楽しんでください。

そうそう、私のプチうつは、そんなこと言っていられないような仕事の修羅場のおかげ?で、いつの間にか解消しておりました。どこまでもワーカホリックな私でした。

Photo by 玉井八平氏(玉井公子副理事長父) 昭和記念公園にて