絵子の縁側便り 12月号

2021年12月1日
内田絵子

季節は晩秋から初冬へ、冬至は一年で最も太陽の位置が低くなるので昼が短く夜が一番長い日ですが、北極圏では冬至の頃は太陽が昇らないとか。太陽が沈んで間もない頃や夜明け前に空が白々と明るくなる前に「空の青みがかった美しい静かな夜景」が見れると知ってからは・・・暗闇が余計なものを隠して、美しいものだけを浮かび上がらせ幻想的なこの光景を見るのが冬のひそかな楽しみとなっています。

師走の声に囲まれる頃になるとバタバタと何かと気ぜわしく心が落ち着きませんね。

私事で恐縮ですが1月には叔母が、7月には夫の姉が、8月には愛犬を、10月には私の姉を看取りました。悲しみの癒える間もなく過ぎていく日々に無常を感じつつも10月の夫の入院、手術も無事終わりホット一息。義理兄の希望で立川の施設への入居準備を進めていましたが・・・師走にはいり義理兄まで亡き姉を追うように重度の肺炎で覚悟をと医師に告げられました。

「人生にはまさか、まさかの坂がある」の言葉のような「たて続くまさかに」胸が詰まるような日々を過ごしています。人生の一面ばかりにとらわれ心の余裕が持てないまま1年が過ぎようとしています。人間社会は多面的で色々な要素から成り立っているからかもしれませんね。どれか一面だけにとらわれると、全体が見えなくなってしまう危険性があることを日々実感しつつ暮らしています。

しかし、こんな時こそ穏やかにのんびりとお茶を飲むゆとりや笑顔を忘れないでいたいものですね。手作りの健康花茶です。「桜茶や菊茶」は飲んだことがありますが、「椿の花茶」椿の花に含まれる糖類には滋養・強壮の効果があり、便通を整える作用もあるようです。小さなゆとりの時間をつくって大好きな椿を干して、花開く椿茶を楽しめる日が来る事を念じています。

カンボジア人はよく笑う民族で、タイ国は「微笑みの国」といわれていますが、20年以上前の話ですが、一ツ橋大学に客員教授として赴任していたタイのスリチャイ教授がテレビで「アジアとの対話」と題する特集番組にテレビ出演されていて・・・。話の内容は覚えていないのですが、特番の締めに司会者から「アジアはいつ日本に追いつけますか」と、言う問に教授は「日本がアジアで最も進んだ国という意識をすて、日本とアジアの人々が共通の土俵に立って物事を考えられる姿勢が育っていけばすばらしい」と、飛び切りの笑顔で答えられたメッセージに思わず拍手。タイと日本との間に「同時的な感覚」が生まれたように感じたことを覚えています。どこの国を訪れても子どもの笑顔に元気と幸せをもらいます。笑顔は肌で感じることができる世界共通語なのでしょう。

来年こそ、コロナが終息し「自由に世界中の子どもたちの笑顔に出会える旅」が、できますことを念じる師走の今日この頃です。

皆様お体に気を付けられて、どうぞ良い年末年始をお迎えくださいませ。