絵子の縁側便り 4月号

2025年4月
谷合 公子

 4月1日といえばエイプリルフール。小学生の頃は「噓をついてもいい日だよー」と友達と競って噓をついた。他愛のない嘘だったと思うが、最後に「それは、噓」と白状してゲラゲラ笑い合った思い出があります。ブーゲンビリアの4月1日は昨年も今年も昭和記念公園でのお花見遠足。昨年は桜の開花が平年より半月遅かったので、やっと咲き始めた桜の木の下で車座になりお弁当を食べながらおしゃべり会をしました。今年は満開の桜を期待できそうで楽しみです。

 ブーゲンビリアの活動は、遠足やおしゃべり会などの癒しのイベント、学習会やシンポジウム等の学びのイベント、国際ボランティア研究支援アドボカシー活動があります。15年前に入会した時に「アドボカシー活動しようよ」「患者も医療に参画しようよ」と全く耳慣れない言葉を聞いてびっくりしました。ブーゲンビリアのホームページには、

アドボカシー活動 協働と連帯

医療向上のために患者を支援し、患者参画型の医療を目指したアドボカシー活動※を行っています。政策提言活動・署名活動・情報発信など、活動は多岐にわたります。

  • 医療の改善進歩のために行われる事業へ、患者の安全性の担保・倫理的な問題などについて、患者の視点からの意見発信
  • 行政と患者サイドとの橋渡し活動・行政への署名活動
  • 医療サイドへの提言活動
  • 医療向上を目的とした様々なアンケート調査

※アドボカシ―:「擁護」や「支持」「唱道」という意味を持つ英語(advocacy)です。
ここでは、「患者アドボカシー」活動として、「制度・政策の変革により課題解決をする活動(政策変革活動)」の意味で使用しています。(患者アドボカシーカレッジのサイトより引用)

 とあります。最近では「立川市がん条例」の制定を求める様々な活動がそれにあたります。「がん条例」制定の実現のための署名活動で「賛同します」と、多くの皆さんが署名をしてくださいました。「がん」とは無関係な皆さんもがんを体験した方も賛同してくださったことに大変感謝するとともに感動しました。また、全国の友達や知人が「他人事じゃないよね」「患者にも患者でない人にも必要だよね」「全国に必要だよね」と忙しい中、署名をたくさん集めて送ってくれたことにも深く感動し感謝しています。

 集まった署名用紙は、何物にも代えがたいほど輝いていて手放したくないほどでした。というのも街頭署名活動の際に中学3年生ぐらいに見える女子の6人グループのなかの1人が「本当にいいの」と友達に念を押されるなか「うん」と頷いて署名してくださったことや、私が高校生の頃何度も手紙をやりとりした見覚えがある友達の筆跡があったこと、所属しているコミュニティーの皆さんが率先して署名してくださったお姿が思い起こされたこと、さらに、様々な皆さんが賛同して署名くださったことを想像すると本当に胸がいっぱいになったからです。今その署名用紙は立川市の書類保管室に厳重に保管されています。

 署名活動を通じて気づいたのですが、私には乳がんサバイバーとしてできることがありました。署名をいただくときにはがんの体験を伝えました。初対面の人には緊張しました。返ってくるお言葉に色々と反応する自分もいました。が、とりえもない私が署名活動をできたのは自分のがんの体験が源にあります。がんの手術から15年たってやっとそう思えるようになりました。

 春は出会いと別れの季節といいます。3月は、活動で大変お世話になっていた方が異動されたり、遠方に引っ越すご家族が近所にいたりして、なんとも寂しい別れを経験しました。そんなぽっかり心に空いた穴に朗報が届きました。西からブーゲンビリアのスタッフが4月に戻ってきます。人気者の彼女の姿をもうすぐ見ることができ楽しみです。

 春光うららかな好季節。皆さんが心穏やかに過ごすことができますようお祈りいたします。

Photo by 玉井八平氏(玉井公子副理事長父) 昭和記念公園にて