絵子の縁側便り 1月号
2025年1月
玉井 公子
新年、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
まだ小学校の低学年の頃、始めて年越しに12時を過ぎて起きていることを許してもらえました。日付が変わる時、年が改まる時に、いったいどんなことが起きるんだろう? きっとシンデレラの魔法が解けるように、何か劇的なことが起こるに違いないとワクワクして待っていました。
まだ白黒のテレビ画面に降りしきる雪、厳かな響きの除夜の鐘。しんしんという言葉がふさわしい大晦日の風景を見ながら、息を殺して待った「ピッ、ピッ、ピッ、ポーン」の時報とともには、なーんにも起きず! 変わったのは「明けましておめでとうございます!」と明るく話すNHKのアナウンサーの口調だけ、という本当にがっかりな体験でした。それでも朝起きて着物を着せてもらい、新年のご挨拶をすると、やっぱり年が改まった気持ちになりました。
今日は昨日の続き、明日は今日の延長とのんべんだらりと過ごしているよりは、何か区切りというか節目のようなものが人生には必要なように思えます。お正月というのは、大切な節目の一つでしょう。そのほかにも日本には、桃の節句・端午の節句などの五節句が有ったり、二十四節気という素敵な区切りが有ったりします。二十四節気は聞きなれない方もおられるかもしれませんが、一年を二十四に分けて、季節の移り変わりを表す区分です。立春・春分・夏至・大寒なども二十四節気の言葉ですし、啓蟄や白露を天気予報の時間に聞かれたことも有るかと思います。さらにそれを細かく分けた七十二候というものも有るそうです。五日に一度の節目は多すぎる気もしますが…。
冬至十日前という言葉もあります。日の入りが一番早いのは、実は冬至ではなくその十日前で、その頃から日脚が畳の目一つずつのびると言い慣わされていました。実際には十日よりもう少し前なのですが、語呂が良かったのでしょうね。日本人の太陽や自然に対する細やかな目が感じられる言葉の数々だと思います。新年を迎えたこの頃、春に向けて日差しは少しずつ力を取り戻し、寒い中にも澄んだ青空に雪を頂いた富士山がくっきりと浮かび上がるのを見ると、気分も改まり、エネルギーをもらえるように思います。
昨年の元日には能登半島地震というショッキングな出来事が有りました。一年を過ぎた今でも復興のままならないというニュースを目にするたびにギュッと心臓を掴まれるような気がします。ウクライナやパレスチナでも争いが続いていますし、報道されないだけで、いえ、自分が気づいていないだけで世界各地に紛争や災害が起こっています。
自分の身の回りの事だけにとらわれがちな日々ですが、折に触れ視野を広げて自分が貢献できる何かを見つけてみようと思います。ブーゲンビリアでは設立当初より、医療に恵まれない人への支援を事業の一つとして活動を続けています。もし、ご興味がありましたら、このホームページの「国際ボランティア」のページをご覧ください。
今年が争いや災害の無い良い年になりますように。
皆さまのご多幸をお祈りいたします。
写真:玉井八平氏(玉井公子副理事長父)