絵子の縁側便り 9月号

2024年9月
谷合 公子

 「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、長引く残暑ではたして涼しく過ごしやすい季節がやってくるのか疑いたくなります。が、ご近所の庭のコムラサキに薄いピンク色の花が咲き直径3ミリほどの緑色の実がなりました。緑色が毎日少しずつ変化しているのを拝見するのが楽しみです。毎年秋が深まるとこの緑色からだんだんと明るい紫色に変わります。夕方近くになるとスズムシの鳴く声が聞こえてきます。植物や虫が夏から秋にバトンが渡されていると教えてくれる今日この頃です。

 ブーゲンビリアのホームページに国立がん研究センターが運営するウェブサイト「がん情報サービス」のリンクが貼られています。ここをクリックすると正しいがん情報にたどり着けます。そしてこの「がん情報サービス」の情報が冊子として作成されたセットが全国の公立図書館等700館以上に「がん情報ギフト」として寄贈されています。ブーゲンビリアの所在地立川市にある中央図書館のレファレンス室の入り口前にも「がん情報ギフト」コーナーがあり、冊子は自由に手に取る事も、持ち帰る事もできます。JR西国分寺駅の近くにある都立多摩図書館は、都内で初めて「がん情報ギフト」を寄贈された図書館。この図書館も同様に冊子を手に取る事も持ち帰る事もできます。お近くの図書館に行く機会がありましたらチェックするのもいいかもしれません。

 ブーゲンビリアに入会して14年あまりたちました。おしゃべり会ではがん体験者・未体験者・ご家族等様々な皆さんと輪になり話をします。そこには、心に残る様々な言葉が溢れていて励まされています。その中からブーゲンビリアスタッフの名言をあげると。1つは「検査結果が出てから悩む」。がんと診断される前も診断された後も検査の日々が続く事があります。結果を聞くまでの時間は悩ましい限りです。この言葉を教えてもらってからは、不安にかられた時に呪文のように唱えると気持ちが落ち着くようになりました。2つめは「冷静に考えることができなくなったら病気とは関係ない本を読む」。治療法や術式等色々と頭の中がいっぱいになることも少なくありません。この方法を教えてもらってから私はそんな時は必ず読書するようにします。頭の中に本の文章が入り込み一旦休憩できて効果抜群です。3つめは「のんびりお付き合い」。病気や人とのお付き合いはのんびりでいいと教えてもらい体の力が抜けました。

 何年も前のお正月に紫式部の源氏物語を読破する計画を立てたものの手つかずのままでしたが、NHKの大河ドラマ「光る君へ」の影響で興味を持ち直しました。大和和紀氏が「源氏物語」を描いた少女漫画「あさきゆめみし」を図書館で借りることができ楽しんでいます。次は「源氏物語」の現代語訳。その次は原文と大風呂敷を広げようかと興味がわいてきています。

 9月16日は敬老の日。17日は中秋の名月。22日は秋分の日。皆さんにとりまして、素敵な秋のはじまりになりますようにお祈りいたします。

写真:副理事長玉井公子父 ・玉井 八平