♪ブーゲンビリア第103号(通巻170号)2013年7月号より

6月6日・7日 急ぎ足の台北訪問

「今、目の前の苦しんでいるがん患者さんのために!」「今、目の前の救えるいのちのために!」は、世界共通語! 世界中の医師等の使命感に支えられたものであり、関係者らの理念であり、がん患者の願い、祈りであることを強く強く再認識した旅となりました。

 TBCAは、1995年台湾の乳がん患者会連合として設立され、アクティブな活動を実践されています。その活動内容は多岐にわたりブーゲンビリアが開催しているアジア乳がん患者大会でも数回にわたってご紹介しています。38病院で活動している患者団体の連合組織をまとめたグロリア・リンさんはじめ今年度のTBCA会長の黄さん、各TBCAのリーダーたちの洪サン、アマさん、クウさん、ヨウさん,ソウさん等と活動拠点の治安総合病院を訪ねました。

 台北市の治安総合病院の乳がん外科医、謝家明医師のあたたかなお人柄に魅かれての大変貴重な時間を過ごすことができました。非公開の「乳がんチーム医療カンファランス」に特別ご招待いただき、病院見学・ケースマネージャーとの意見交換会・先生主催の交流食事会・TBCA乳がん患者会リーダー会議・意見交換会等のスケジュールに沿ってともに行動し、交流を深めました。おかげさまで「がんに国境はない」「がん仲間はみな姉妹」を実感した密度の濃い時間を過ごすことができました。

 「乳がんチーム医療カンファランス」には、謝家明医師を筆頭に、腫瘍内科医、乳房形成外科医、乳腺専門医、精神科医、ケースマネージャー等の専門医が乳がん患者のいのちを救うために、最善の治療をめざして真摯にいのちと向き合っている様に身が引き締まる思いで議論を拝聴しました。転移・再発乳がんでは、基本的に「ホルトバギーの治療方針」に沿って治療を進めていく、転移・再発乳がん治療の場合患者さんの人生やライフスタルを考え治療を行う、ケアホリデーのあり方について意見交換がなされました。またオンコプラスティックという乳腺科と形成外科の連携によるがんの根治術と乳房の美容とを両立するケースについての個別対応の話題は、時代が求めているものでもあります。

 TBCAのリーダーさんたちとの意見交換会では、アジアのがん患者にとって治療の進歩には欠かせない、臨床試験・治験やキャンサーギフトについて提案しました。TBCAの今後の活動のテーマとなったと、グロリアさんが話されていました。

 TBCAの39番目の団体は「夫婦で乗り越える乳がん・シャングリラの会」。昨年秋から勉強会やハイキング、食事会などの活動を、府中市に長く滞在してらしたリョウさんご夫妻が立ち上げられました。「夫婦で協力・支えあう大切さ」を熱く語っていらっしゃるリョウさんご夫妻は輝いていて、日本にもシャングリラの会ができればいいなあ~と、暖かな気持ちに包まれて台北を後にしました。